●古都西安のシンボル
遥かな昔から、いくつもの王朝が盛衰を繰り返してきた西安(長安)。
イメージ中のそれは古都の名に相応しい、古い街並みの趣深い都市だった。ところが実際に目にする西安はビルの立ち並ぶ、一般的な地方都市でしかない。唯一古都としての自己主張を感じられるのが、街の中心部を取り囲む城壁と4つの城門、そして中心部に佇む鼓楼と鐘楼だ。
西安の城壁は隋・唐代に造られた土塁を基礎とし、明代に8年の歳月をかけて築かれた。600年の歳月を経た1980年代には崩壊寸前だったが、市民たちのボランティアを含む大修復により今は同市のシンボルとなっている。高さ12メートル、平均幅13メートルの城壁が、外周13キロに渡って延々と続く。そのスケールの大きさには、ただただ息を呑むしかない。
ここで1時間の見学時間を与えられたので、電動カーで城壁を一周するツアーに参加した。ツアーといってもただ走るだけで、ガイドもなにもつかない。城壁の内側の市街地は場所ごとにその風景を変えるが、城壁の上はただひたすら同じ風景が続く。風を切って走りながら、これだけの巨大建造物を作ることができた人間の偉大さに、ただただ驚かされるばかりであった。
なお、城壁を周るためのレンタサイクルを借りることも可能だが、かなりの距離を走ることと、翌日の筋肉痛は覚悟したほうがよいだろう。時間と体力があれば試してみたいものである。



