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2007年06月13日

●受難のフルーツ (百香果)

初めてそれを食べたときの衝撃は、ロンギヌスの槍(注)でわき腹を突かれたようなものだった。

ニューカレドニアで初めてお目にかかったパッションフルーツは、ぼくをたちまちのうちに虜にした。こんなに旨いフルーツがこの世にあったのかと、ぼくは何度もおかわりをしたものだ。

パッションフルーツ:クリックで拡大
ゼリー状の果肉からは、甘酸っぱさがほとばしる
上海に戻ってからもあの味わいは忘れがたく、輸入食材店などを彷徨い歩いたのだが、残念ながら発見するには至らなかった。

ところが先日、フラリと立ち寄ったシティスーパーにて、このパッションフルーツが売っているのを見かけた。ぼくは小躍りしたくなる気持ちを押さえて代金を支払い、念願の果実を手に入れることができたのだった。

外皮からかなり熟しているであろうと予想される果実に刃を入れると、黄金色をした果汁が滴り落ちた。果汁といっしょに果肉をすくい、ゆっくりと口中に運ぶ。強い酸味とほのかな甘味が口いっぱいに広がり、パリパリとした種の歯ごたえがアクセントとして心地よい。うん、この味だ!

今後も安定供給されるのかどうか定かではないが、これからは足繁く通って在庫を確認したい。

 

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注釈 ロンギヌスの槍 【Spear of Longinus】
キリスト教伝説で語られる、磔にされたキリストのわき腹を刺したとされる槍。パッション・フルーツとは、
しばしば『情熱の果物』として誤認されているが、じつはキリスト受難(Passion)の果物が名の由来。
パッション(フルーツ)からちなんで、引っかけてみた言葉遊びだが、判ってくれた人がいると嬉しい。

2007年06月04日

●旬の果物 (楊梅)

幼きころは野山が遊び場だった。

朝から晩まで日焼けして真っ黒になりながら、野を駆け回り、山へ分け入り、川で泳いだ。思いっきり遊んでお腹が空けば、野いちご、スイバ、アケビなど自然のおやつのお世話になったものだ。

楊梅盛合せ:クリックで拡大
ブツブツとグロテスクな姿だが、味はなかなか旨い
そんな少年時代の味を想起させる楊梅(和名:ヤマモモ)が、ここ上海でも最盛期を迎えている。日本ではほとんど一般流通していないが、中国では果物屋や路上で販売されている。

表面は多汁質の粒状突起が密生しており、爽やかな甘酸っぱさがある。凹凸があるので汚れや虫が入り込んでいることも多いので、30分程度は水に浸してから食べるとよいだろう。

中国の路上販売は衛生面や農薬などが問題視されてはいるが、街を歩いていると旬の訪れをダイレクトに感じられるのがよい。抗酸化作用や美白効果が強く化粧品にも使われているし、抗菌作用や血圧調整など身体にもよい楊梅。今しかない旬の味を、試してみては如何だろうか。

2007年02月09日

●正体不明の果実 (サポジラ)

食べ物は総じて安い上海だが、その中でもフルーツの安さは群を抜いている。

輸入物になるとさすがに高価だが、国産の果物ならば日本の10分の1以下の価格で手に入る。少し傷みかけた桃ならば、500gで1元なんてのも珍しくないだろう。

サポジラの外観:クリックで拡大
外観は毛のないキウィのようだ
また日本では百貨店の輸入食材コーナーでしか見られないような珍妙な南国フルーツを、スーパーや果物屋で気軽に見つけられるのも嬉しい。珍しいもの好きのぼくとしては、そんな果物を目にすると買わずにはいられないのだ。

今回見つけたのは人心果という名前で、海南島産であることから南国フルーツの一種だろう。毛のない大きなキウィフルーツといった雰囲気で、指で押すと硬くズッシリと重たい。

包丁を使って皮を剥くとシャリシャリと小気味良い音がする。黄色味がかった果肉は全体に筋っぽい感じで、4つ割りにしてみると柿によく似た種子がいくつかあるようだ。

中身は柿っぽい?:クリックで拡大
柿の種に似た種子が見える
ゆっくりと歯を立てて、ひと口大にかじり取る。筋っぽい果肉を静かに咀嚼すると、口の中に強烈な渋味が広がっていく。慌てて吐き出したが、口の中にはいつまでも嫌な後味が残った。見たところ柿に似ているとは感じたが、柿は柿でも渋柿であった。毒見役からの報告があるまで静観していた妻は、ぼくの顔色がみるみると変わっていくのを目撃したそうだ。

ネットで調べてみたところ、これはサポジラというアカテツ科の常緑高木で、果実を食用にするとともに、樹液から出来る特異なゴム質はかつてチューインガムの原料だったという。未成熟な果実は強い渋味を持つそうで、完熟して柔らかくなると干し柿にも似た甘味を持つため生食可能となるようだ。

大変な目にはあったものの、なかなか珍しいフルーツを喰うことが出来たのは嬉しい。もっとも食したのはひと口だけで、残りはすべて生ゴミとなってしまったのだけれど……。

今後も珍しいフルーツを見かけたときは、果敢にチャレンジして行きたいものだ。

2006年12月25日

●正体不明の果実

久しぶりにCITY SHOPを訪れたところ、番茘枝(バンレイシ)という不思議な果物を見つけた。

茘枝といえばライチのことだが、見た目は似ても似つかないのであまり関係なさそうである。
とりあえず見たことない食べ物は試してみたくなるので、少し高いなと思いつつ買って帰った。

自宅にて百科事典やインターネットを駆使して調べたところ、番茘枝とは仏頭果のことらしい。

仏頭果なら以前にも食べたが見た目が違うので、さらに調べてみたところ近縁種が多いそうだ。
チェリモヤ種のアンボネートというのに似ているのだが、微妙に特徴が違うので別物らしい。

結局、いくら調べてみても埒が明かないので、正体不明のままだが試食してみることにした。

番茘枝(パッケージ):クリックで拡大 番茘枝(外観):クリックで拡大 番茘枝(切り分け後):クリックで拡大

縦に庖丁を入れると思ったよりも柔らかく、時折引っかかるのは黒い小豆大の種のせいである。

真っ白な果肉は美しいが、空気に触れるとみるみるうちに酸化するようで薄茶色に変色していく。
さらに食べ易いよう4つ割りにして、妻とふたりで恐る恐るながら果肉にずぶりと前歯を立てた。

クリーミーな食感の果肉内には種が多いので食べにくく、砂糖をまぶしたような強い甘みがある。

果皮がもっと茶色く、手で持つと柔らかくなってからが食べ頃らしいから少し早すぎるようだった。
よって正当な評価ではないかもしれぬが、特別に旨いとも思えず、次もまた買おうとは思えない。

もうひとつはしっかり熟して食べようと置いてあるので、味に変化があればまた報告させて頂く。

2006年05月11日

●ライチに恋して

出始めは少し高かったライチ(茘枝)が、安価で出まわるようになってきました。

日本では冷凍物の黒ずんだライチか、ビン詰めのものしか見たことがなかったのですが
こちらではまだ青々とした果実が山積みにされて、そこかしこで売られています。

収穫期は5月から7月にかけてですが、傷みが早いので昔は生の果実は珍重されました。

あの楊貴妃が好んで食べたというのは有名な話で、唐の元宗皇帝も彼女のために
人馬で8昼夜をかけて、華南(嶺南または蜀といわれる)より直送させたそうです。

ライチ:クリックで拡大 ライチ:クリックで拡大 ライチ:クリックで拡大

完熟すると美しい鮮紅色となるそうですが、以前によく熟れてから食べようと楽しみに
寝かせておいたら、食べ頃を逸してしまったので、今回は青いうちにいただきました。

うろこ状の果皮に爪を立てると、内側からぴゅぴゅっとジュースがほとばしります。

日本で食べる冷凍のライチから出るジュースは、水っぽいような冷凍庫臭がしますが
フレッシュなライチから出てくる果汁は、濃厚ながらさわやかな酸味で美味です。

透き通るほど白い果肉は美しい水晶のようで、なめらかな柔らかさの口当たりも良好。

甘味と酸味、そして香味のバランスが見事で、口中を爽やかな涼風が吹きぬけるようで
ひとつめの種を出し終わる前に、もう次の果実に手を伸ばしてしまうほどでした。

収穫から1日で変色が始まり、2日で香りが抜け、3日目からは味も落ちるというライチ。

台湾などの生産地では鉢植えのまま供され、そのままもいで食べさせるお店もあるとか。
もぎたてフレッシュな高貴な香りと味を、いつかぜひ味わってみたいものですね。

2005年11月17日

●上海は果物天国

食べ物の物価はとても安い上海ですが、その中でも果物はとても安い。

値切りが基本の上海だけど、価格交渉するのが莫迦らしくなるほどで
桃が500グラム15円とか、スイカ1玉60円など日本ではあり得ない価格です。

そんなわけで、我が家でも毎食後に新鮮なフルーツが饗されます。

水果  写真はここ最近、食卓に並んだ
  フルーツの数々です。

  マンゴーなど輸入果物はちょっと高いけれど
  全部あわせても500円くらいでしょうか。

右上の黄色くて大きな、ボンタンのようなのは柚子。

日本の柚子とは関係ないようで、夏ミカンを大きくした感じ?
ジューシーで食べ応え満点なので最近のお気に入りです。

枝付きのイガイガは紅毛丹(ランブータン)で、見た目は果物に見えません。

右端手前のどんこにも見えるのは仏頭果(シュガーアップル)
名前の通りかなり甘く、味は熟柿か干し柿のようでした。

真ん中手前は油桃で、山桃みたいに食感が固いけれど美味しいです。
でも、奥さんはこんなの桃じゃないってプンスカしてました。

その後ろ、筋の入った白っぽいのは人参果。

古典『西遊記』の中に、形はまるで人間の赤子そっくりで、匂いを嗅ぐだけで360年
ひとつ食べれば4万7千も長生きできる人参果って果物が出てきますが関係あるのかな?

左後方はお馴染みペリカンマンゴー。輸入品なのでちょっと割高ですが
日本で買うよりは断然安いようで、マンゴー好きの奥さんもニッコリ。

水果 水果 水果

次の写真は食べやすいように皮を剥いたり、切った状態のもの。

左端はランブータン、人参果、油桃で、真ん中は柚子の解体写真
右端の変なの(笑)は仏頭果を縦に割ったものです。

ランブータンは皮を向くと、見た目に反して白くて綺麗な実が姿を表わします。

とてもジューシーで甘味が有り、微かな酸味があって美味しいです。
ライチをイメージして頂ければ、いちばん判りやすいかな?

奥さんに不評の油桃は甘味が少なく、歯ごたえは生の人参を少し柔らかくした感じ。
種の周りには酸味があって、ぼく的には美味しいと思うんですが……。

人参果はウリ科か何かでしょうか。食感はメロンのようで、味は甘味も
酸味も少なく残念ながらあまり美味しいものではありませんでした。

4万7千年長生きできるならともかく、もう買うこともないでしょう。

柚子はふつうに柑橘系な味で、この大きさで5元くらいでした。
ゴツイ見た目に反して剥きやすいし、ジューシーで美味!

仏頭果はその名の通り仏の頭(の上のでっぱり?)に似た感じ。

はじめは固いのですが熟れてくると柔らかくなって
手を使って簡単に割ることができるようになります。

スプーンですくって食べますが、種が大きいので食べるところは少ないかもです。


珍しいものがたくさんあり、当たり外れはありますが果物大好きなぼくとしては
毎日、フレッシュなフルーツが食べられて嬉しい限りですね。

しかし、この生活に慣れてしまうと、日本に帰ってから寂しくなっちゃうかも。
何でも高い日本ですけど、果物はまた一段と高いですものねぇ。

2005年11月10日

●野菜? 果物?

奥さんがお店でケーキを買ってきました。

上海ケーキ 上海ケーキ

上海の洋菓子が美味しくないのは定評ですし、見た目もちょっと……なのが多い。

けど、今回のケーキは見た目も日本で見かけるものと変わりませんし
肝心のお味のほうもなかなか美味しく、十分に合格点です。


ただ、ひとつだけ問題点がありました。


上海ケーキ  上に乗っている赤いのは
  さくらんぼか、それともイチゴでしょうか?

  ゼリーのようなものでコーティングされたそれを
  フォークを突き刺して、口に運んでみると……。








_| ̄|○ ……紛うことなき、プチトマトでした



上海ではプチトマトはフルーツの範疇なのか、果物屋さんの軒先で売っていたり
食後のデザートとして出てくるフルーツ盛り合わせにも入っています。

キュウリもやっぱりフルーツ扱いなのか、同じ盛り合わせで見かけたりします。

まあ、食後のプチトマトは口中をさっぱりさせてくれるってことでありですが
ケーキの上に乗ったプチトマトはちょっと(かなり)合わない気がしますね。

しかも、ゼリーコーティングって……(汗)

2005年09月02日

●水果(フルーツ)天国

街角の果物屋さんで桃を買いました。

普通は1斤(500g)で1元とか2元程度で山積みになっていますが
その桃は見るからに特級品だと思わせる、それはそれは立派なお姿。

緩衝材を入れた箱の中に鎮座まします姿には、ほのかな気品すら感じられます。

お値段も1玉が5.5元と、他の追従を許さない価格設定ですが
きっと岡山産の3,000円くらいする高級白桃に匹敵する味に違いありません。

冷蔵庫でよ~く冷やして、いざ食べようと思ったのですがナイフがない。

仕方ないので手で皮をむこうと思ったのですが、ぴろーっとむけずに
爪を立てた部分がちょっと剥がれるだけで、なかなか一気にはむけませんでした。

水果 水果

おまけに果肉が固いので、爪と指のあいだが痛くなってきました。

リンゴの皮を爪だけでむくところを想像していただければ
その苦労が伝わるのではないかと思います。

果物ナイフを買いに行こうかとも思ったのですが、意地でも今すぐ食べたい!
っていうか、既に4分の1くらいはむいてしまったので、引っ込みがつきません。

人間は道具を使う生き物です。

ナイフがないなら、別の道具を使えばよいってことで
選ばれたのはホテルのアメニティの櫛。

皮をむくってよりは、表面をこ削ぎとっている感じですが仕方ありません。

ようやく皮がむけた(と言うかボロボロ)桃のお味ですが
山桃に近い感じでしょうか、シャッキリした歯ごたえで酸味があります。

想像していた白桃とは違いますが、酸っぱくてぼく好みかも?

水果 水果

果物を買うのに味を占めて、今度は1斤2元の桃を6個と
ザクロを2つほど買ってきてしまいました。

もちろん今度はナイフもいっしょにゲット。
もう櫛で皮をむくのはコリゴリです(汗)

上海に駐在した暁には、毎食後に季節のフルーツを付けることができそうです。

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