●受難のフルーツ (百香果)
初めてそれを食べたときの衝撃は、ロンギヌスの槍(注)でわき腹を突かれたようなものだった。
ニューカレドニアで初めてお目にかかったパッションフルーツは、ぼくをたちまちのうちに虜にした。こんなに旨いフルーツがこの世にあったのかと、ぼくは何度もおかわりをしたものだ。
上海に戻ってからもあの味わいは忘れがたく、輸入食材店などを彷徨い歩いたのだが、残念ながら発見するには至らなかった。ところが先日、フラリと立ち寄ったシティスーパーにて、このパッションフルーツが売っているのを見かけた。ぼくは小躍りしたくなる気持ちを押さえて代金を支払い、念願の果実を手に入れることができたのだった。
外皮からかなり熟しているであろうと予想される果実に刃を入れると、黄金色をした果汁が滴り落ちた。果汁といっしょに果肉をすくい、ゆっくりと口中に運ぶ。強い酸味とほのかな甘味が口いっぱいに広がり、パリパリとした種の歯ごたえがアクセントとして心地よい。うん、この味だ!
今後も安定供給されるのかどうか定かではないが、これからは足繁く通って在庫を確認したい。
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注釈 ロンギヌスの槍 【Spear of Longinus】
キリスト教伝説で語られる、磔にされたキリストのわき腹を刺したとされる槍。パッション・フルーツとは、
しばしば『情熱の果物』として誤認されているが、じつはキリスト受難(Passion)の果物が名の由来。
パッション(フルーツ)からちなんで、引っかけてみた言葉遊びだが、判ってくれた人がいると嬉しい。










写真はここ最近、食卓に並んだ


上に乗っている赤いのは

