●太古の森でオランウータンに出会う
世界で3番目に大きな島、ボルネオの熱帯雨林は1億8千万年以上の歴史を持つ世界最古の
森林地帯で、地球上でもっとも複雑な動植物相を持つ生物の宝庫だと呼ばれています。
しかし、近年になって森林伐採が進み、多くの生き物たちが絶滅の危機に瀕しています。
このジャングルに、マレー語で森の人と呼ばれる生物が生息していると聞き
彼らにぜひ会ってみたいと願うしゅう夫妻が、自然保護区を訪れました。
『ボルネオ島 熱帯雨林に暮らす森の人に…しゅう夫妻が出会った(声:下條アトム)』
かつてテレビで観た、とても優しい瞳を持つオランウータンたちをこの目で見たくて
ホテルの用意してくれるアクティビティ、オランウータンツアーに参加しました。
コタキナバルで森の人、オランウータンに会おうと思うなら、通常はサンダカンにある
セピロック・オランウータンセンターまで出向く必要があり、1日仕事となります。
ところがぼくらが泊まるラサ・リア・リゾートは独自の保護センターを持っています。
もちろんホテル宿泊者以外でも参加することはできますが、人数制限が厳しいので
部外者は予約を取るのが難しく、ぼくらですら最終日にようやく確保できました。
今回ラサ・リアに決めた理由のひとつがこれで、宿泊者ならではの特権ですね。
オランウータンたちは通常、子供が独り立ちするまでに5~6年もの歳月を要します。
4歳までは母乳で育てられ、その後も樹上での動作や餌の捕り方などを教育されます。
そんな親子の絆の深い生態を持つが故に、親を失った子が生き延びることは難しい。
そして密猟や事故により、親を失ってしまうオランウータンの子は意外と多いのです。
ここラサ・リア内に併設されたセンターは、そんな親の居ないオランウータンたちが
独り立ちして野生に戻ることができるよう、リハビリテーションを行なう施設でした。
まずはセンターにて簡単な説明や注意を受けたあと、いよいよ自然保護区へ入ります。
久しぶりの山歩きで、自分の趣味がトレッキングだったことを思い出しましたが
やっぱ大自然の中を黙々と歩くのは、ある種の快感をともなうようですね。
もっと歩きたかったものの、10分くらいで餌付け場のプラットフォームに到着しました。
この森で6頭のオランウータンたちが、野生に戻るためのトレーニングを受けながら
暮らしているそうですが、この日はそのうちの3頭を見ることができました。
まったく見られない日もあるそうですから、ぼくたちは運がよいかもしれません。
逆さまにぶら下がったり、樹から樹へと移動したり、お互いがじゃれあったり。
大人になると単体行動が基本となる彼らも、さすがに子供同士の遊び好きのよう。
この日は遠くに居ましたが、好奇心いっぱいに近寄ってくることもあるそうです。
その吸込まれそうに澄んだ瞳の深淵で、彼らはいったい何を想っているのでしょうか。
黙して語ることはありませんでしたが、まるで我々に何かを語りかけているようでした。




























